結節性硬化症(TSC)

遺伝子 ニューロン ゲノム 神経 指定難病 甲状腺ホルモン不応症 リンパ脈管筋腫症 先天性ミオパチー ブラウ症候群 コステロ症候群 CFC症候群 ルビンシュタイン・テイビ症候群 筋ジストロフィー 遺伝性周期性四肢麻痺 アイザックス症候群 ペリー症候群 メビウス症候群 先天性無痛無汗症 CIPA アレキサンダー病 限局性皮膚異形成 アイカルディ症候群 中隔視神経形成異常症/ドモルシア症候群 大田原症候群 遊走性焦点発作を伴う乳児てんかん EIMFS 環状20番染色体症候群 PCDH19関連症候群 マルファン症候群 レット症候群 スタージ・ウェーバー症候群 結節性硬化症 弾性線維性仮性黄色腫 指定難病

目次

<結節性硬化症>はどんな病気?

結節性硬化症(Tuberous Sclerosis Complex:TSC)>は、
遺伝子異常によって全身に良性腫瘍(過誤腫)が多発する、先天性の全身性疾患です。
特に脳・皮膚・腎臓・心臓・肺に病変が出やすいことが特徴です。

  1. 1. 病気の概要
  2. 2. 原因(遺伝子異常)
    1. ● 原因遺伝子
    2. ● 何が起こるか
  3. 3. 主な症状(臓器別)
    1. ① 脳・神経系
    2. ② 皮膚症状(診断の手がかり)
    3. ③ 腎臓
    4. ④ 心臓
    5. ⑤ 肺(主に成人女性)
    6. ⑥ 眼
  4. 4. 遺伝形式
  5. 5. 診断
  6. 6. 治療
    1. ● 根治療法はありませんが、治療は大きく進歩しています
      1. ① てんかん治療
      2. ② mTOR阻害薬
      3. ③ 各臓器の対症療法
  7. 7. 予後
  8. まとめ
  9. 1. 発症頻度(有病率・出生頻度)
    1. ● 一般的に報告されている頻度
  10. 2. 日本での患者数の推定
  11. 3. 男女差・人種差
  12. 4. 「診断されていない人」も一定数存在します
  13. 5. 他の希少疾患との比較(参考)
  14. 6. まとめ
  15. 結論(要点)
  16. 1. 原因遺伝子について
    1. ● TSC1遺伝子
    2. ● TSC2遺伝子
  17. 2. 何が起こるのか(病気の本質)
  18. 3. 遺伝と突然変異の割合
  19. 4. なぜ症状に個人差が大きいのか
  20. 5. 重要なポイント(誤解されやすい点)
  21. まとめ
  22. 結論(最重要ポイント)
  23. 1. 「常染色体優性遺伝」とは
  24. 2. 家族歴がない人のほうが多い
  25. 3. 軽症の親から重症の子が生まれることもあります
  26. 4. モザイク型の場合
  27. 5. 将来の妊娠・出産について
  28. まとめ
  29. 全体像(重要)
  30. 1. 胎児期〜新生児期
    1. ● 心臓
  31. 2. 乳児期(最も重要な時期)
    1. ● てんかん
  32. 3. 幼児期〜学童期
    1. ● 脳
    2. ● 発達・行動
  33. 4. 思春期〜成人期
    1. ● 腎臓(最重要)
    2. ● 肺(主に女性)
  34. 5. 皮膚の経過
  35. 6. 生命予後
  36. 7. 経過に個人差が大きい理由
  37. 8. 現代医療による変化(重要)
  38. まとめ
  39. 全体の考え方(重要)
  40. 1. てんかんの治療(最重要)
    1. ● 抗てんかん薬
    2. ● てんかん外科
    3. ● mTOR阻害薬(後述)
  41. 2. 脳病変の治療
    1. ● SEGA(脳室上衣下巨大細胞性星細胞腫)
  42. 3. 腎臓病変の治療(重要)
    1. ● 腎血管筋脂肪腫(AML)
  43. 4. 肺病変(LAM)の治療
  44. 5. 皮膚病変の治療
  45. 6. 発達・行動障害への支援
  46. 7. mTOR阻害薬(現代治療の中核)
  47. 8. チーム医療が不可欠
  48. まとめ
  49. 全体の基本方針(重要)
  50. 1. てんかんに関する注意点(最重要)
    1. ● 発作誘因を避ける
    2. ● 服薬管理
    3. ● 安全面の配慮
  51. 2. 腎臓(腎血管筋脂肪腫)に関する注意点
    1. ● 出血リスクへの注意
    2. ● 定期検査を継続
  52. 3. 肺(LAM)に関する注意点(特に成人女性)
    1. ● 避けた方がよいこと
  53. 4. 心臓・脳腫瘍に関する注意点
  54. 5. 発達・学習・心理面の配慮
    1. ● 学校・職場での配慮
  55. 6. 皮膚症状への配慮
  56. 7. 感染症・発熱時の注意
  57. 8. 妊娠・出産を考える場合(成人)
  58. まとめ

1. 病気の概要

結節性硬化症は、

  • てんかん
  • 発達障害・知的障害
  • 皮膚病変

を三本柱とする疾患として古くから知られていますが、
実際には**全身の臓器に影響する「全身性疾患」**です。

症状の重さには非常に大きな個人差があります。


2. 原因(遺伝子異常)

● 原因遺伝子

  • TSC1遺伝子(ハマルチン)
  • TSC2遺伝子(チュベリン)

これらの遺伝子は、
**mTOR経路(細胞の増殖・成長を制御する重要な仕組み)**を抑制する役割を担っています。

● 何が起こるか

  • TSC1 / TSC2 が機能しない
    → mTORが過剰に活性化
    → 細胞が増えすぎる
    全身に良性腫瘍(過誤腫)が形成

3. 主な症状(臓器別)

① 脳・神経系

  • てんかん(約80〜90%)
    • 乳児期早期の**点頭てんかん(West症候群)**が多い
  • 発達遅滞・知的障害
  • 自閉スペクトラム症(TSC-ASD)
  • 注意欠如・多動症(ADHD)

② 皮膚症状(診断の手がかり)

  • 白斑(葉状白斑)
  • 顔面血管線維腫(鼻・頬に赤いぶつぶつ)
  • シャグリーン斑(皮膚のざらつき)
  • 爪周囲線維腫

③ 腎臓

  • 腎血管筋脂肪腫(AML)
  • 腎嚢胞
  • 出血・腎機能低下の原因になることがあります

④ 心臓

  • 心臓横紋筋腫
    • 多くは乳児期に見つかる
    • 成長とともに自然縮小することが多い

⑤ 肺(主に成人女性)

  • LAM(リンパ脈管筋腫症)
  • 呼吸困難・気胸の原因になることがあります

⑥ 眼

  • 網膜過誤腫(多くは無症状)

4. 遺伝形式

  • 常染色体優性遺伝
  • ただし、
    • 約2/3は新生突然変異
    • 家族歴がなくても発症します

5. 診断

  • 臨床診断基準(皮膚・脳・腎などの所見)
  • 遺伝子検査(TSC1 / TSC2)
  • MRI(脳・腎)
  • 心エコー、CTなど

6. 治療

● 根治療法はありませんが、治療は大きく進歩しています

① てんかん治療

  • 抗てんかん薬
  • 難治例ではてんかん外科
  • 乳児期早期ではビガバトリンが重要

② mTOR阻害薬

  • エベロリムス
  • 腎AML、SEGA(脳室上衣下巨大細胞性星細胞腫)、てんかんに有効

③ 各臓器の対症療法

  • 腎・肺・皮膚・発達支援を含む多職種管理

7. 予後

  • 軽症例ではほぼ健常人と同様の生活
  • 重症例では継続的な医療・支援が必要
  • 定期フォローが生涯必要な疾患です

まとめ

  • 結節性硬化症は
    mTOR経路異常による全身性の遺伝性疾患
  • 脳・皮膚・腎・心・肺など多臓器に影響
  • 症状の幅が非常に広い
  • 分子標的治療(mTOR阻害薬)により予後は大きく改善

<結節性硬化症>の人はどれくらい?

1. 発症頻度(有病率・出生頻度)

結節性硬化症は希少疾患に分類されますが、
スタージ・ウェーバー症候群などと比べると比較的患者数の多い疾患です。

● 一般的に報告されている頻度

  • 出生6,000〜10,000人に1人
  • 有病率としては
    人口約1万人に1人前後

とされています。


2. 日本での患者数の推定

日本の人口規模から推定すると、

  • 全国で約1万5,000〜2万人程度
  • 小児〜成人まで幅広い年齢層に患者さんがいます

※難病指定疾患ではありますが、
小児神経・てんかん領域では比較的よく遭遇する疾患です。


3. 男女差・人種差

  • 男女差はありません
  • 人種差もほぼありません
  • 世界中でほぼ同じ頻度で発症します

4. 「診断されていない人」も一定数存在します

結節性硬化症は、

  • 症状が非常に軽い例
  • てんかんや知的障害がなく、皮膚症状が軽度な例

も存在します。

そのため、

  • 実際の患者数は報告より多い可能性
    があると考えられています。

5. 他の希少疾患との比較(参考)

疾患名頻度
結節性硬化症約6,000〜10,000人に1人
神経線維腫症1型約3,000人に1人
スタージ・ウェーバー症候群約2〜5万人に1人
レット症候群約1万人に1人(女児)

👉 結節性硬化症は、希少疾患の中では比較的多い部類です。


6. まとめ

  • 結節性硬化症の頻度は
    出生6,000〜10,000人に1人
  • 日本では
    約1万5,000〜2万人程度
  • 男女差・人種差なし
  • 軽症で未診断の方も一定数存在すると考えられる

<結節性硬化症>の原因は?

結論(要点)

結節性硬化症の原因は、
**TSC1遺伝子またはTSC2遺伝子の異常(変異)**です。

この遺伝子異常により、細胞の増殖を制御する仕組みが壊れ、
全身に良性腫瘍(過誤腫)が多発する病気になります。


1. 原因遺伝子について

● TSC1遺伝子

  • 染色体:9番染色体
  • 作るタンパク:ハマルチン

● TSC2遺伝子

  • 染色体:16番染色体
  • 作るタンパク:チュベリン

これら2つのタンパクは一緒に働き、
**mTOR経路(細胞の成長・増殖を調節する重要な仕組み)**を抑える役割を担っています。


2. 何が起こるのか(病気の本質)

本来は
「細胞が必要な分だけ増える」
ように制御されていますが、

TSC1またはTSC2に異常があると、

  • mTOR経路がブレーキの効かない状態になる
    → 細胞が過剰に増殖
    全身に良性腫瘍(過誤腫)が形成される

これが結節性硬化症の本態です。


3. 遺伝と突然変異の割合

結節性硬化症は
常染色体優性遺伝の形式をとりますが、

実際には

  • 約2/3(約66%)は新生突然変異
  • 約1/3(約33%)は親からの遺伝

とされています。

つまり、

  • 家族歴がない方が多数派です
  • 親に症状が軽く、気づかれていないケースもあります

4. なぜ症状に個人差が大きいのか

同じ病気でも症状の重さが大きく違う理由は、

  • どちらの遺伝子(TSC1かTSC2)が変異しているか
  • 変異の種類
  • モザイク型(体の一部だけに変異がある)

などが影響すると考えられています。

一般に、

  • TSC2変異の方が重症になりやすい
    傾向があります。

5. 重要なポイント(誤解されやすい点)

  • 結節性硬化症は
    ❌「妊娠中の生活習慣」
    ❌「育て方」
    ❌「環境のせい」
    で起こる病気ではありません。
  • 純粋に
    遺伝子レベルの偶然の変化が原因です。

まとめ

  • 原因は
    TSC1またはTSC2遺伝子の変異
  • mTOR経路の異常による
    全身性の過誤腫形成
  • 約2/3は突然変異、約1/3は遺伝
  • ご本人やご家族の責任で起こる病気ではありません

<結節性硬化症>は遺伝する?

結節性硬化症(Tuberous Sclerosis Complex:TSC)>は、
遺伝する可能性のある病気です。

ただし、
すべての患者さんが親から遺伝しているわけではありません。
ここがとても重要なポイントです。


結論(最重要ポイント)

結節性硬化症は

  • 常染色体優性遺伝の病気です
  • しかし実際には
    👉 約2/3は突然変異(新生突然変異)
    👉 約1/3が親からの遺伝

とされています。


1. 「常染色体優性遺伝」とは

もし親のどちらかが結節性硬化症であれば、

  • お子さんに遺伝する確率は
    1人につき50%(2分の1)

になります。

男女差はなく、
男の子・女の子どちらにも同じ確率で起こります。


2. 家族歴がない人のほうが多い

結節性硬化症の多くは、

  • 両親に病気がないのに
  • お子さんに初めて発症する

**「新生突然変異」**によるものです。

つまり、

  • 「遺伝病=必ず親も同じ病気」というわけではありません。

3. 軽症の親から重症の子が生まれることもあります

結節性硬化症は、

  • 同じ遺伝子変異でも
    症状の重さに非常に大きな差があります。

そのため、

  • 親は皮膚症状が軽いだけ
  • てんかんがない
  • 仕事も普通にしている

という場合でも、
お子さんが重症になる可能性はあります。


4. モザイク型の場合

一部の患者さんでは、

  • 体の一部の細胞だけに遺伝子変異がある
    モザイク型結節性硬化症

という形があります。

この場合、

  • 症状が軽いことが多い
  • しかし、生殖細胞に変異が含まれると
    → お子さんには通常型として遺伝する可能性があります

5. 将来の妊娠・出産について

結節性硬化症のある方が妊娠を考える場合、

  • 遺伝の可能性(50%)
  • 症状の個人差が大きいこと
  • 出生前診断の可否

について、
遺伝カウンセリングを受けることが強く勧められます。


まとめ

  • 結節性硬化症は
    遺伝する可能性がある病気
  • ただし
    約2/3は突然変異
  • 親が患者の場合、子に遺伝する確率は
    50%
  • 症状の重さは
    親子でも大きく異なる

<結節性硬化症>の経過は?

全体像(重要)

結節性硬化症は、

  • 進行性のがんのような病気ではありません
  • しかし、
    • 乳幼児期に症状が現れやすく
    • 年齢とともに「出てくる臓器病変」が変わる
      という特徴があります
  • 定期フォローを続けることで重症化を防げる病気です

1. 胎児期〜新生児期

● 心臓

  • 心臓横紋筋腫が胎児エコーで見つかることがあります
  • 多くは
    • 出生後〜幼児期にかけて自然に縮小・消失します
  • 心不全や不整脈を起こす例は少数です

2. 乳児期(最も重要な時期)

● てんかん

  • 生後数か月以内に発作が始まることが多い
  • 特に
    • 点頭てんかん(West症候群)
    • 早期発症てんかん
      は、発達に影響しやすいです

👉 この時期の**早期治療(特にビガバトリン)**が、
 将来の知的予後に大きく関係します。


3. 幼児期〜学童期

● 脳

  • 皮質結節・白質病変は基本的に増えません
  • ただし、
    • **SEGA(脳室上衣下巨大細胞性星細胞腫)**が
      思春期前後に大きくなることがあります

● 発達・行動

  • 発達遅滞
  • 自閉スペクトラム症(ASD)
  • 注意欠如・多動症(ADHD)

などが明らかになる時期です


4. 思春期〜成人期

● 腎臓(最重要)

  • **腎血管筋脂肪腫(AML)**が
    • 思春期以降に大きくなりやすい
  • 出血や腎機能低下の原因になります

👉 成人期以降の予後を左右する最大因子は
 腎病変です


● 肺(主に女性)

  • **LAM(リンパ脈管筋腫症)**が出現することがあります
  • 息切れ、気胸の原因になります

5. 皮膚の経過

  • 乳児期:白斑が目立つ
  • 幼児期:顔面血管線維腫が出現
  • 思春期以降:爪周囲線維腫などが増える

👉 皮膚症状は

  • 命に関わるものではありませんが
  • 診断の手がかりになります

6. 生命予後

  • 適切な医療管理があれば
    寿命はほぼ健常人と同等
  • 生命予後を左右する主因:
    • 重症てんかん
    • 腎不全
    • 重症LAM

7. 経過に個人差が大きい理由

  • TSC1かTSC2か
  • 変異の種類
  • モザイク型かどうか
  • てんかんの発症時期・コントロール状況

により、
非常に幅広い経過をとります


8. 現代医療による変化(重要)

以前は:

  • 腎病変・脳腫瘍による死亡が多かった

現在は:

  • mTOR阻害薬(エベロリムス)
  • 早期てんかん治療
  • 定期画像フォロー

により、
👉 重症化を防げる時代になっています


まとめ

  • 結節性硬化症は
    年齢によって問題となる臓器が変わる病気
  • 乳児期:てんかん
  • 小児期:発達・SEGA
  • 成人期:腎臓・肺
  • 定期フォローで
    予後は大きく改善可能
  • 多くの方が
    長期に安定した生活を送れます

<結節性硬化症>の治療法は?

全体の考え方(重要)

結節性硬化症には
👉 病気そのものを完全に治す根治療法はありません

そのため治療の基本は、

  • 各臓器の病変に対する
    対症療法
  • 近年確立した
    mTOR阻害薬による分子標的治療
  • 生涯にわたる
    定期的なフォローアップ

の組み合わせです。


1. てんかんの治療(最重要)

● 抗てんかん薬

  • 多くの患者さんでてんかんを合併します
  • 特に乳児期の点頭てんかんでは
    👉 ビガバトリンが第一選択

● てんかん外科

  • 薬で抑えられない難治性てんかんの場合
  • 発作の原因となる脳病変を切除する手術
  • 条件が合えば
    👉 発作が大きく減る・消失する可能性があります

● mTOR阻害薬(後述)

  • てんかん発作の頻度を減らす効果も認められています

2. 脳病変の治療

● SEGA(脳室上衣下巨大細胞性星細胞腫)

  • 脳室を塞ぐと水頭症の原因になります

治療:

  • mTOR阻害薬(エベロリムス)
  • 手術(急性水頭症などの場合)

3. 腎臓病変の治療(重要)

● 腎血管筋脂肪腫(AML)

  • 出血・腎不全の原因になります

治療:

  • mTOR阻害薬(エベロリムス)
  • 塞栓術
  • 手術(大きい場合)

4. 肺病変(LAM)の治療

  • 主に成人女性にみられます
  • 呼吸困難・気胸の原因になります

治療:

  • mTOR阻害薬(シロリムス)
  • 酸素療法
  • 重症例では肺移植

5. 皮膚病変の治療

  • 顔面血管線維腫など

治療:

  • レーザー治療
  • 外用mTOR阻害薬(シロリムス軟膏など)

6. 発達・行動障害への支援

  • 発達遅滞
  • 自閉スペクトラム症(ASD)
  • ADHD

治療・支援:

  • 療育
  • 教育支援
  • 必要に応じて薬物療法

7. mTOR阻害薬(現代治療の中核)

代表薬:

  • エベロリムス
  • シロリムス

作用:

  • 異常に活性化したmTOR経路を抑制
    → 腫瘍の縮小
    → 発作の軽減

適応:

  • SEGA
  • 腎AML
  • 難治性てんかん
  • LAM
    など

8. チーム医療が不可欠

関与する診療科:

  • 小児神経科/神経内科
  • 腎臓内科
  • 呼吸器内科
  • 皮膚科
  • 眼科
  • 心臓内科
  • リハビリ・心理・教育支援

まとめ

  • 結節性硬化症は
    臓器別に治療を組み合わせる病気
  • 治療の柱は
    ✅ 抗てんかん治療
    ✅ mTOR阻害薬
    ✅ 必要時の手術
  • 定期フォローにより
    重症化を防げる時代になっている
  • 多くの方が
    長期に安定した生活を送れます

<結節性硬化症>の日常生活の注意点

全体の基本方針(重要)

結節性硬化症は、

  • 適切な医療管理があれば
    日常生活は十分可能な病気です
  • ただし、
    • てんかん
    • 腎臓
    • 肺(女性)
    • 発達・行動面
      などに配慮した生活設計が必要です

「過度に制限」ではなく、
👉 安全を確保しつつ生活の質を保つこと
が基本方針です。


1. てんかんに関する注意点(最重要)

● 発作誘因を避ける

発作を起こしやすくする要因:

  • 睡眠不足
  • 強いストレス
  • 発熱・感染症
  • 極度の疲労
  • 飲酒(成人)

→ 規則正しい生活リズムが重要です。


● 服薬管理

  • 抗てんかん薬は
    自己判断で中止・減量しない
  • 飲み忘れ防止:
    • 薬ケース
    • アラーム
    • 家族の声かけ

● 安全面の配慮

  • 入浴は一人きりを避ける
  • 浴槽での長湯は控える
  • 水泳・海・川遊びは
    👉 必ず監視者がいる状態で
  • 自転車:ヘルメット着用
  • 高所作業・危険作業は医師と相談

2. 腎臓(腎血管筋脂肪腫)に関する注意点

● 出血リスクへの注意

  • 腹部を強く打つ運動(激しい接触スポーツ)は注意
  • 突然の
    • 強い腹痛
    • 血尿
    • めまい
      があれば、すぐ受診が必要です

● 定期検査を継続

  • 腹部エコー・CT・MRIを
    定期的に受ける
  • 症状がなくてもフォローは必須です

3. 肺(LAM)に関する注意点(特に成人女性)

  • 息切れ
  • 胸痛
  • 突然の呼吸苦

があれば早めに受診してください。

● 避けた方がよいこと

  • 喫煙(厳禁)
  • 高所・飛行機搭乗の頻回利用(重症例)

4. 心臓・脳腫瘍に関する注意点

  • 乳児期の心臓横紋筋腫は
    多くが自然縮小しますが、
    • 不整脈
    • 哺乳不良
      などに注意します
  • 脳のSEGAは
    • 頭痛
    • 嘔吐
    • ぼーっとする
      などが出た場合、水頭症の可能性があるため要注意です

5. 発達・学習・心理面の配慮

  • 発達の得意・不得意に差が出やすい病気です
  • 比較ではなく
    👉 その人のペースを尊重

● 学校・職場での配慮

  • 発作時の対応方法を共有
  • 無理のないスケジュール
  • 疲れたら休める環境づくり

6. 皮膚症状への配慮

  • 日焼け対策(紫外線で目立つことがあります)
  • レーザー治療後は保湿・遮光
  • 見た目に関する心理的負担には
    必要に応じて心理支援

7. 感染症・発熱時の注意

  • 発熱は発作の引き金になることがあります
  • 早めの解熱・受診
  • 発作時対応マニュアルを家庭・学校で共有

8. 妊娠・出産を考える場合(成人)

  • 遺伝の可能性(50%)
  • 使用薬剤(抗てんかん薬・mTOR阻害薬)
  • 肺LAMの有無

について、
👉 事前に専門医・遺伝カウンセリングが必須です


まとめ

  • 規則正しい生活が最重要
  • 発作予防・腎臓・肺への配慮が軸
  • 運動・学習・仕事は
    原則として可能(条件付き)
  • 定期フォローを続けることで
    安定した生活が可能な病気

<結節性硬化症>の最新情報

ラパログ(エベロリムス等)は「継続投与が必要」「副作用」「効き方が不十分な場合」などの課題(2025)

シロリムス開始後の5年生存率など(2025)

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