バージャー病

脳神経 神経 指定難病  クッシング病 下垂体性ADH分泌異常症 下垂体性TSH分泌亢進症 下垂体性PRL分泌亢進症 下垂体前葉機能低下症 網膜色素変性症 マリネスコ・シェーグレン症候群 神経軸索スフェロイド形成を伴う遺伝性びまん性白質脳症 脊髄空洞症 脊髄髄膜瘤 遺伝性ジストニア 神経フェリチン症 脳表ヘモジデリン沈着症 禿頭と変形性脊椎症を伴う常染色体劣性白質脳症 皮質下梗塞と白質脳症を伴う常染色体優性脳動脈症 皮質下梗塞と白質脳症を伴う常染色体優性脳動脈症  皮質下梗塞と白質脳症を伴う常染色体優性脳動脈症 神経細胞移動異常症 神経軸索スフェロイド形成を伴う遺伝性びまん性白質脳症 HDLS 前頭側頭葉変性症 ビッカースタッフ脳幹脳炎 BBE 痙攣重積型(二相性)急性脳症(AESD) 指定難病
クッシング病 下垂体性ADH分泌異常症 網膜色素変性症 脊髄空洞症 下垂体前葉機能低下症 下垂体性PRL分泌亢進症 下垂体性TSH分泌亢進症 マリネスコ・シェーグレン症候群 神経軸索スフェロイド形成を伴う遺伝性びまん性白質脳症 脊髄空洞症 脊髄髄膜瘤 遺伝性ジストニア 神経フェリチン症 脳表ヘモジデリン沈着症 禿頭と変形性脊椎症を伴う常染色体劣性白質脳症 皮質下梗塞と白質脳症を伴う常染色体優性脳動脈症 皮質下梗塞と白質脳症を伴う常染色体優性脳動脈症 神経細胞移動異常症 神経軸索スフェロイド形成を伴う遺伝性びまん性白質脳症 HDLS 前頭側頭葉変性症 ビッカースタッフ脳幹脳炎 BBE 痙攣重積型(二相性)急性脳症(AESD)

目次

<バージャー病>はどんな病気?

バージャー病(Buerger病、別名:閉塞性血栓血管炎 / Thromboangiitis obliterans)は、主に手足の末梢血管が炎症と血栓で閉塞してしまう進行性の血管疾患です。


特徴

  • 好発層:20〜40代の喫煙者、特に男性に多い(ただし女性や非喫煙者でもまれに発症)。
  • 障害部位:手足の動脈・静脈の中小血管(足趾や指先の血流が悪くなる)。
  • 進行パターン:炎症→血栓形成→血管閉塞→末梢組織への血流障害。

主な症状

  • 足や手の冷感・しびれ・痛み(安静時にも痛むことがある)
  • 間欠性跛行(歩くと足が痛くなり、休むと軽くなる)
  • 指先や足先の潰瘍・壊死
  • 皮膚色の変化(蒼白→紫色→赤色)

原因

  • 正確な原因は不明ですが、喫煙が最も強い危険因子
  • たばこの化学物質による血管内皮損傷や免疫反応異常が関与すると考えられています。
  • 遺伝的素因や自己免疫性の機序も一部で指摘されています。

診断

  • 血管造影検査で「コルクスクリュー様(らせん状)」の側副血行路が特徴的。
  • 他の動脈硬化性疾患や膠原病を除外したうえで診断されます。

治療

  • 完全禁煙が最重要(少量の喫煙でも再燃・悪化)
  • 血管拡張薬や抗血小板薬による血流改善
  • 末期には血行再建術や交感神経切除術、重症例では切断を要することも。

予後

  • 喫煙を続けると症状が進行し、数年以内に指趾切断に至ることも。
  • 逆に完全禁煙で進行を止められるケースも多い

<バージャー病>の人はどれくらい?

<バージャー病(Buerger病)>の患者数や発症頻度について、最新のデータを以下にまとめます。


日本における患者数

  • 厚生労働省などのデータによると、日本には約4,000人のバージャー病患者がいると推定されています。PubMed

日本国内での有病率推移

  • 2000年度には人口10万人あたり約7.95人の登録患者が報告されましたが、2010年には5.58人と減少し、その後2014年には再び5.54人程度で推移しています。J-STAGE
  • このように、日本では患者数や有病率が緩やかに減少傾向にあるとされています。PMCJ-STAGE

世界的な発症頻度(地域による差)


まとめ

地域/項目数値・傾向
日本の患者数約4,000人
日本の有病率(人口10万人あたり)2000年:約7.95人 → 2010年:約5.58人 → 2014年:約5.54人
PAOD患者に占める割合(欧米)0.5~5.6%
同割合(日本・韓国)15~66%
インド45~63%
アシュケナージ系ユダヤ人最大80%

バージャー病は地域差が大きく、喫煙率や遺伝的素因、環境要因などが影響していると考えられています。

<バージャー病>の原因は?

バージャー病(Buerger病、閉塞性血栓血管炎)の原因はまだ完全には解明されていませんが、研究から以下の要因が強く関与していると考えられています。


1. 喫煙(最も重要なリスク因子)

  • ほぼ全ての患者が喫煙歴を持つという報告が多数。
  • 紙巻きたばこだけでなく、葉巻、パイプ、電子タバコ、さらには噛みタバコや無煙たばこでも発症・再燃する例があり。
  • ニコチンやその他の化学物質が血管内皮を傷つけ、炎症や血栓形成を誘発すると考えられる。

2. 血管の炎症と免疫異常

  • 血管壁に自己免疫反応が関与している可能性がある。
  • 血管内膜や中膜に炎症細胞が浸潤し、血栓を形成→血流が遮断される。
  • 抗内皮細胞抗体(AECA)や抗好中球細胞質抗体(ANCA)が関与するとの報告もあり。

3. 遺伝的素因

  • 特定の**HLA遺伝子型(例:HLA-B5、HLA-B54)**との関連が報告されている。
  • 地域差(日本や中東・インドで多い)からも、遺伝的背景が疑われる。

4. 環境要因

  • 寒冷環境や長時間の末梢血流低下(例:職業や生活習慣による)で発症リスクが高まる可能性。
  • 食生活や栄養状態の影響も一部で指摘。

5. 感染との関連(仮説)

  • 慢性歯周病菌(例:Porphyromonas gingivalis)や他の細菌感染が免疫反応を誘発し、病態を悪化させる可能性があるとする研究もある。

まとめると

バージャー病は「遺伝的素因を持つ人が喫煙などの環境刺激を受けて、免疫異常や炎症が末梢血管に起こる」ことで発症する可能性が高いと考えられています。

<バージャー病>は遺伝する?

バージャー病(Buerger病)は直接的に遺伝する病気ではありませんが、遺伝的な素因が関与していると考えられています。


1. 家族内発症はまれ

  • 家族内で複数人が発症する例はありますが、頻度は低く、単純な遺伝性疾患(常染色体優性や劣性遺伝)ではないと考えられています。
  • 同一家系内で発症する場合も、多くは生活習慣(特に喫煙習慣)が共通していることが多いです。

2. 遺伝的素因の存在

  • HLA(ヒト白血球抗原)との関連が報告されており、
    • 日本人では HLA-B54
    • 中東では HLA-B5, HLA-B51
      などが発症リスク上昇と関連。
  • これらの遺伝型を持つと喫煙による血管障害に対する感受性が高くなると推測されています。

3. 遺伝と環境の相互作用

  • 遺伝的素因があっても、喫煙をしなければ発症しない例がほとんど。
  • 一方で、素因がなくても大量喫煙で発症する場合があります。

まとめ

バージャー病は「遺伝病」ではなく、「遺伝的感受性+喫煙などの環境要因」が重なって発症する病気です。
そのため、家族に患者がいても禁煙すれば発症リスクはほぼゼロに近づけられると考えられます。

<バージャー病>の経過は?

バージャー病(Buerger病、閉塞性血栓血管炎)の経過は、発症から進行・安定化までの流れが比較的はっきりしている病気です。
ただし、最大の分かれ道は「完全禁煙できるかどうか」です。


1. 初期(前駆症状期)

  • 冷感・しびれ・手足の色調変化(白くなる・紫色になる)
  • 寒冷や運動時に指先や足先が痛む(レイノー現象に似た症状)
  • この時期は血流障害が軽度で、症状が出たり消えたりします。

2. 進行期

  • 血管の炎症と血栓が悪化し、血管が閉塞。
  • 間欠性跛行(歩行時の痛み、休むと軽くなる)が出現。
  • 安静時にも痛むようになる。
  • 指先・足先の潰瘍や壊死が始まる。

3. 末期(重症虚血期)

  • 壊死が進行して黒色に変化(ドライガングレン)
  • 潰瘍が感染を起こし、湿性壊疽になると急速に悪化。
  • 切断が必要になる場合がある(足趾・指、進行すると足・手)。

4. 経過の特徴

  • 完全禁煙すれば:炎症が治まり、病気の進行がほぼ止まることが多い。切断を回避できる可能性が高い。
  • 喫煙を続けると:再発を繰り返し、数年以内に切断に至るリスクが大幅に上昇。
  • 一度閉塞した血管は自然には元に戻らず、進行を止めることが治療の主眼

5. 長期予後

  • 致命的な心筋梗塞や脳卒中は動脈硬化性疾患に比べると少ない。
  • ただし生活の質(QOL)低下が大きく、歩行能力や手の使用に影響する。
  • 完全禁煙できた患者の多くは、数年後も安定した状態で生活できる。

<バージャー病>の治療法は?

バージャー病(Buerger病、閉塞性血栓血管炎)の治療の中心は、原因となる刺激(特に喫煙)を完全にやめて進行を止めることです。すでに閉塞した血管を元に戻す方法はないため、進行予防と症状の緩和が治療の主眼になります。


1. 根本的治療

完全禁煙
  • 紙巻きたばこ、葉巻、パイプ、電子タバコ、加熱式たばこ、噛みタバコなどすべてを中止する必要あり。
  • ニコチンそのものが炎症と血管収縮を引き起こすため、ニコチンパッチやガムも避けるのが望ましい。
  • 完全禁煙後、数週間〜数か月で炎症が鎮まり進行が止まることが多い。

2. 薬物療法(血流改善・症状緩和)

  • 血管拡張薬(プロスタグランジン製剤:PGE₁、PGE₂点滴)
  • 抗血小板薬(アスピリン、クロピドグレル)
  • 鎮痛薬(NSAIDs、必要に応じオピオイド)
  • カルシウム拮抗薬(末梢血管の攣縮予防)
  • 重症例では**イロプロスト(Iloprost)**静注が有効例あり。

3. 外科的・介入的治療

  • 交感神経切除術(交感神経の刺激を断ち、血流を改善)
  • バイパス手術(閉塞部位を迂回する血管をつくる)
    • ただしバージャー病は末梢の細い血管が障害されるため、バイパスの適応は限られる。
  • 壊死や感染が進行した場合は切断術が必要になることもある。

4. 新しい治療(研究段階〜実用化されつつあるもの)

  • 自己骨髄細胞移植幹細胞療法:血管新生を促す目的で実施(日本やインドで臨床試験報告あり)。
  • 低出力レーザー治療遠赤外線療法:血流改善を狙う補助療法。
  • 遺伝子治療(VEGF遺伝子導入):実験段階。

5. 生活指導

  • 冷えを避ける(手袋・靴下、防寒対策)
  • 足や手の外傷予防(小さな傷から感染→壊疽に進む)
  • 定期的な足の観察(色、温度、傷の有無)
  • 適度な運動(歩行訓練)で側副血行の発達を促す

<バージャー病>の日常生活の注意点

バージャー病(Buerger病、閉塞性血栓血管炎)では、進行を止め、潰瘍や壊死を防ぐための日常生活管理がとても重要です。
以下は医学的推奨と臨床現場の実際をあわせたポイントです。


1. 喫煙に関する注意

  • 完全禁煙が最重要
    紙巻きたばこ、葉巻、パイプ、電子タバコ、加熱式たばこ、噛みタバコなどすべて禁止。
    ニコチン入りガムやパッチも避ける(ニコチン自体が血管収縮を起こすため)。
  • 周囲の受動喫煙も避ける。

2. 冷え対策

  • 冷えは血管を収縮させ、血流を悪化させます。
    • 冬だけでなく冷房の効いた室内でも靴下・手袋・帽子で防寒。
    • お風呂はぬるめ〜やや温かめでゆっくり温める。
  • 急激な温度変化(冷水、氷など)は避ける。

3. 足・手のケア

  • 小さな傷でも放置しない(潰瘍・感染のきっかけになる)
  • 毎日、鏡などを使って足先・指先を観察(色、温度、傷の有無)
  • 靴はサイズの合う柔らかい素材で、靴擦れ防止。
  • 爪は深爪せず、角を丸く整える。

4. 運動・活動

  • 血流を保つために無理のない範囲での歩行訓練が推奨。
    (痛みが出たら休み、また歩く「間欠性跛行リハビリ」)
  • 長時間の立ちっぱなしや座りっぱなしは避ける。

5. 栄養・体調管理

  • 栄養バランスの良い食事(特に鉄分・タンパク質・ビタミンCで血管と皮膚の健康維持)
  • 脱水を避ける(水分補給)
  • 感染症予防(傷口ケア、口腔衛生、風邪予防)

6. 精神的サポート

  • 禁煙は心理的負担が大きいため、禁煙外来やサポートグループの利用が有効。
  • 慢性痛や切断リスクへの不安に対して、必要に応じてカウンセリングや精神科医の支援を受ける。

7. 受診とフォロー

  • 血流や潰瘍の状態を定期的にチェック。
  • 急な色の変化、激しい痛み、傷の悪化があればすぐ受診。

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