コリン作動生クリーゼ

重症筋無力症や手術後および神経因性膀胱等の低緊張性膀胱による排尿障害に幅広く用いられている薬剤に、ジスチグミン臭化物(以下,ジスチグミン)があります。ジスチグミンは可逆的・持続的にコリンエステラーゼ(以下,ChE)を阻害する働きがあります。これによりChEが必要以上に阻害された場合,症状が急激に増悪し呼吸困難を伴う危険な状態になることがあり,これをコリン作動性クリーゼといいます。初期症状は下痢,腹痛,悪心・嘔吐,唾液分泌過多,発汗, 徐脈,縮瞳,呼吸困難,血清ChE値低下等で,これらの 症状に気づいた場合には,ただちに投与を中止し受診を勧めることが重篤化を防ぐことになります。

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