目次
<遊走性焦点発作を伴う乳児てんかん>はどんな病気?
**<遊走性焦点発作を伴う乳児てんかん(Epilepsy of Infancy with Migrating Focal Seizures:EIMFS)>**は、乳児期早期に発症する極めて重症のてんかん性脳症です。
以前は **「乳児重症遊走性焦点てんかん」**とも呼ばれていました。
- 発症時期:多くは生後6か月以内(新生児期〜乳児早期)
- 主な発作:焦点発作(部分発作)が、時間とともに脳の別の部位へ次々と移動(遊走)
- 脳波の特徴:
- 発作のたびに発作起始部位が変わる
- 同時に複数焦点から発作が出ることもある
- 重症度:非常に高く、薬剤抵抗性が強い
- 発作の特徴(最大のポイント)
- 原因
- 経過と予後
- 診断
- 治療
- 他の重症てんかん性脳症との違い
- まとめ(重要ポイント)
- 📊 発症数・頻度の目安
- 📌 数字にするとこんな感じ
- 📌 日本における例
- ⚠️ どうして「はっきりした数」が少ないの?
- 📌 結論(頻度の感覚)
- ① 遺伝子異常(最も主要な原因)
- ② なぜ「遊走性」になるのか(病態の考え方)
- ③ 脳構造異常・代謝異常は?
- ④ 遺伝形式と再発リスク
- ⑤ 原因が重要な理由
- 他疾患との原因比較(整理)
- まとめ(重要ポイント)
- 結論から
- なぜ「遺伝しないことが多い」のか
- 代表的な遺伝子と遺伝の考え方
- 兄弟姉妹への再発リスクは?
- 例外:まれに「遺伝する」ケース
- 「遺伝子異常」と「遺伝病」は違う
- 実際の臨床で必ず行われること
- まとめ(重要ポイント)
- 時期別の経過
- 発達・機能予後
- 生命予後について
- 経過を左右する重要因子
- 他疾患との経過の違い(整理)
- まとめ(重要ポイント)
- ① 薬物療法(第一選択だが効果は限定的)
- ② 原因遺伝子に基づく治療(重要)
- ③ ケトン食療法
- ④ 外科治療について
- ⑤ 支持療法・包括的ケア(極めて重要)
- 治療の現実的な位置づけ
- まとめ(重要ポイント)
- 日常生活の基本方針
- ① 発作への備えと安全管理
- ② 呼吸・嚥下・栄養管理(最重要)
- ③ 感染症予防
- ④ 睡眠・生活リズム
- ⑤ 薬・治療の管理
- ⑥ リハビリ・姿勢ケア
- ⑦ ご家族への重要な配慮
- ⑧ 将来を見据えた準備
- まとめ(重要ポイント)
発作の特徴(最大のポイント)
「遊走性(migrating)」とは?
- ある時は右前頭葉、次は左側頭葉、さらに別の領域…
👉 発作のスタート地点が固定されない - 同じ発作の中で、焦点が移動することもある
- 1日に多数回起こることも珍しくありません
発作の症状例
- 片側の手足・顔のけいれん
- 目や頭の偏位
- 無呼吸・チアノーゼ
- 自律神経症状(心拍・呼吸の変化)
原因
遺伝子異常が中心
EIMFSは、遺伝子異常が原因となることが非常に多い疾患です。
代表的な原因遺伝子
- KCNT1(最も代表的)
- SCN2A
- SCN1A
- QARS1
- SLC12A5 など
▶ 多くは**新生突然変異(de novo)**で、
両親に同じ病気がなくても発症します。
経過と予後
- 発作は極めて治療抵抗性
- 発作が頻回なため、
発達は早期から著しく障害されます - 重度の知的障害・運動障害を残すことが多い
- 生命予後も厳しい症例がありますが、
医療管理の進歩により長期生存例も増加しています
診断
以下を組み合わせて診断されます。
- 臨床症状(遊走性焦点発作)
- **長時間脳波(ビデオEEG)**による発作起始部位の変化確認
- 遺伝学的検査(極めて重要)
- MRI(初期は正常なことも多い)
治療
薬物療法
- 多くの抗てんかん薬が効果不十分
- KCNT1変異例ではキニジンが試みられることがあります
(※効果は個人差あり、専門施設で慎重に使用)
その他
- ケトン食療法
- 支持療法・在宅医療
- 原則としててんかん外科の適応はありません
(焦点が固定されないため)
他の重症てんかん性脳症との違い
| 疾患 | 発作の特徴 |
|---|---|
| 大田原症候群 | 強直発作・SB脳波 |
| 早期ミオクロニー脳症 | ミオクロニー発作 |
| EIMFS | 焦点発作が遊走 |
| ウエスト症候群 | 点頭てんかん |
まとめ(重要ポイント)
- 乳児期早期発症の最重症クラスのてんかん性脳症
- 発作焦点が固定されず移動するのが最大の特徴
- KCNT1を中心とした遺伝子異常が主因
- 治療抵抗性が強く、包括的ケアが不可欠
<遊走性焦点発作を伴う乳児てんかん>の人はどれくらい?
📊 発症数・頻度の目安
🌍 世界的・地域別のデータ
- 英国の全国調査の報告では
出生100万人あたり年間 2.6〜5.5人 の発症と推定されています。
また、小児100万人あたりの有病率は 約1.1人 と評価されています。遺伝性疾患プラス+1 - 別の推定値では
小児全体での有病率が
*約 0.11人/100,000(= 約1/900,000)
という超低頻度の推定も報告されています。orpha.net
👉 どの推定も共通して言えるのは
➡ **非常に稀な疾患(超低頻度)**であることです。
📌 数字にするとこんな感じ
| 指標 | 推定値 |
|---|---|
| 出生100万人あたりの年間発症率 | 約 2.6〜5.5人 遺伝性疾患プラス |
| 小児100万人あたりの有病人数 | 約 1.1人 難病情報センター |
| 全児童集団での推定有病率 | 約 0.11/100,000人(約1/900,000) orpha.net |
📌 日本における例
- 日本でも症例報告として 1997〜2014年の論文・学会報告で37例が記録されています(全国統計ではない点に注意)。難病情報センター
⚠️ どうして「はっきりした数」が少ないの?
- EIMFSは発症が早期(6か月未満)で重篤なため、
新生児医療・専門医療施設での診断報告が中心であり、
全国レベルの疫学データが不足しています。 - 各国の医療制度や調査方法の違いもあり、
数値に幅が出ています。
📌 結論(頻度の感覚)
💡 遊走性焦点発作を伴う乳児てんかんは極めてまれな病気で
- 誕生した百万に数人
- 小児全体でも百万に1人前後
という頻度で見られる疾患とされています。遺伝性疾患プラス+1
<遊走性焦点発作を伴う乳児てんかん>の原因は?
① 遺伝子異常(最も主要な原因)
🔑 代表的な原因遺伝子
- KCNT1(最頻・代表的)
- SCN2A
- SCN1A
- SLC12A5
- QARS1
- BRAT1 など
👉 特に KCNT1変異は、EIMFSの最重要原因遺伝子として確立しています。
遺伝子異常の特徴
- 多くは 新生突然変異(de novo)
- 両親は無症状
- 妊娠・出産・育て方の影響ではありません
- 神経細胞の
興奮性と抑制のバランスが破綻することで発作が起こります
② なぜ「遊走性」になるのか(病態の考え方)
EIMFSの最大の特徴である
**「発作焦点が移動する(遊走する)」**現象は、以下の機序で説明されます。
- 原因遺伝子の異常により
👉 脳全体の神経ネットワークが過剰に興奮しやすい状態 - 特定の部位だけでなく
👉 どの部位でも発作が始まり得る - その結果
👉 発作のたびに焦点が変わる、または発作中に移動する
③ 脳構造異常・代謝異常は?
- 明らかな脳構造異常は少ない
- MRIは初期に正常なことが多い
- 代謝異常が原因となることは稀
- <早期ミオクロニー脳症>とは大きな違い
👉 **EIMFSは「機能的(遺伝子由来)てんかん性脳症」**と理解されます。
④ 遺伝形式と再発リスク
| 項目 | 特徴 |
|---|---|
| 遺伝形式 | 多くは新生突然変異 |
| 両親が保因者 | まれ |
| 兄弟姉妹の再発 | 非常に低い(ただし0ではない) |
| 例外 | 親のモザイク変異 |
※そのため、遺伝学的検査とカウンセリングが重要です。
⑤ 原因が重要な理由
原因遺伝子の特定は、以下に直結します。
- 治療選択
- 例:KCNT1変異 → キニジン使用の検討
- 予後の見通し
- 家族への再発リスク説明
- 将来の研究・臨床試験への参加可否
他疾患との原因比較(整理)
| 疾患 | 主な原因 |
|---|---|
| 大田原症候群 | 構造異常・遺伝子異常 |
| 早期ミオクロニー脳症 | 代謝異常が多い |
| EIMFS | 遺伝子異常が中心 |
| ウエスト症候群 | 多因子 |
まとめ(重要ポイント)
- EIMFSの主因は遺伝子異常
- 中でも KCNT1 が最重要
- 多くは 新生突然変異で親の責任ではない
- 脳構造異常・代謝異常は少数
- 原因特定が 治療・予後・家族計画の鍵
<遊走性焦点発作を伴う乳児てんかん>は遺伝する?
<遊走性焦点発作を伴う乳児てんかん(EIMFS)>は遺伝するのかについて、現在の医学的理解を結論→理由→例外の順で整理してご説明します。
結論から
👉 ほとんどの場合、遺伝しません。
ただし、**「原因は遺伝子異常だが、家族内で受け継がれるケースはまれ」**という、少し特殊な位置づけの病気です。
なぜ「遺伝しないことが多い」のか
EIMFSの原因は遺伝子異常が中心ですが、その多くは👇
🔹 新生突然変異(de novo 変異)
- 両親には存在しない遺伝子変異が
受精後・胎児期に偶然生じる - 両親は健康・無症状
- 妊娠中の行動や育て方が原因ではありません
👉 EIMFSの大多数がこのタイプです。
代表的な遺伝子と遺伝の考え方
KCNT1 変異(最も多い)
- ほぼすべてが de novo
- 家族内再発は極めて稀
その他(SCN2A、SCN1A など)
- 多くは de novo
- 家族性はごく少数
兄弟姉妹への再発リスクは?
| 状況 | 再発リスク |
|---|---|
| de novo変異(典型例) | 1%未満 |
| 親の生殖細胞モザイク | 0ではない(低率) |
| 家族性遺伝(例外) | 個別評価が必要 |
👉 そのため、**「基本的には再発しないが、ゼロとは言い切れない」**という説明になります。
例外:まれに「遺伝する」ケース
ごく一部で、以下が報告されています。
- 親のモザイク変異
- 親は無症状
- 精子・卵子の一部だけに変異が存在
- 常染色体劣性遺伝の関連遺伝子
- EIMFS様の表現型をとる非常に稀なケース
※ これらは例外的です。
「遺伝子異常」と「遺伝病」は違う
ここはとても重要です。
- ✔ 遺伝子異常が原因 → 事実
- ✖ 親から受け継いだ遺伝病 → 多くは違う
👉 **「偶然起きた遺伝子の変化」**が原因であり、
👉 親の責任ではありません。
実際の臨床で必ず行われること
- 遺伝学的検査(原因遺伝子の特定)
- 遺伝カウンセリング
- 再発リスクの正確な説明
- 将来の妊娠・出産についての医学的判断
まとめ(重要ポイント)
- EIMFSは
「遺伝子異常が原因だが、遺伝することはほとんどない」 - 多くは 新生突然変異
- 兄弟姉妹への再発リスクは非常に低い
- 親の行動・妊娠中の生活が原因ではない
- 正確な評価には遺伝子診断+遺伝カウンセリングが必須
<遊走性焦点発作を伴う乳児てんかん>の経過は?
<遊走性焦点発作を伴う乳児てんかん(Epilepsy of Infancy with Migrating Focal Seizures:EIMFS)>の経過について、発症から長期予後までを時期別に、臨床で知られている典型像を整理してご説明します。
- 発症は極めて早期(生後6か月以内が多い)
- 発作は急速に頻回化・難治化
- 発達は早期から大きく障害される
- 長期にわたり重症経過をたどることが多い
EIMFSは、**「時間とともに自然に落ち着くタイプのてんかんではない」**ことが重要です。
時期別の経過
① 発症期(新生児期〜生後6か月以内)
- 焦点発作で発症
- 片側の手足・顔のけいれん
- 眼球偏位、無呼吸、チアノーゼなど
- 発作の焦点が毎回変わる(遊走性)
- 1日に多数回起こることも多い
- 抗てんかん薬への反応は乏しい
- MRIは初期に正常なことも多い
👉 この時点で、EIMFS特有の難治性が明確になります。
② 進行期(乳児期)
- 発作頻度がさらに増加・持続
- 複数焦点が同時に活動することもある
- 発作間欠期にも脳波異常が持続
- 発達の遅れが明確化
- 首すわり・寝返りが困難
- 反応性・視線の合いにくさ
👉 発作活動そのものが脳発達を妨げる段階です。
③ 幼児期以降(慢性期)
- 発作は引き続き難治性で持続することが多い
- 発作型が変化・多様化することもある
- 重度の知的障害・運動障害が固定化
- 摂食・嚥下障害、呼吸トラブルを合併しやすい
- 医療的ケア(経管栄養・吸引など)が必要になることがあります
発達・機能予後
- 知的発達:重度障害がほぼ必発
- 運動機能:座位・歩行獲得が困難な例が多い
- 言語:有意な発語の獲得はまれ
- 行動・自律神経:不安定になりやすい
※ただし、個人差は存在し、原因遺伝子や医療介入の質で幅があります。
生命予後について
- 乳幼児期に重篤な経過をたどる例もあります
- 一方で、医療管理の進歩により長期生存例は増加
- 生命予後は
- 発作コントロール
- 呼吸・感染管理
に大きく左右されます
経過を左右する重要因子
- 原因遺伝子(特にKCNT1かどうか)
- 発作頻度と持続期間
- 早期の包括的医療介入
- 呼吸・栄養・感染対策
- 在宅医療・福祉支援の導入時期
他疾患との経過の違い(整理)
| 疾患 | 経過の特徴 |
|---|---|
| 大田原症候群 | 他症候群へ移行しやすい |
| 早期ミオクロニー脳症 | 代謝性原因で重篤 |
| EIMFS | 難治発作が長期に持続 |
| ウエスト症候群 | 治療で改善する例あり |
まとめ(重要ポイント)
- EIMFSは
乳児期早期に始まり、長期にわたり重症経過をとるてんかん性脳症 - 発作は遊走性・難治性
- 発達障害は早期から重度
- 医療・在宅・福祉を含めた長期的なチームケアが不可欠
<遊走性焦点発作を伴う乳児てんかん>の治療法は?
EIMFSは極めて治療抵抗性が強い疾患です。
治療の目標は次の3点に集約されます。
- 発作頻度・重症度をできる限り下げる
- 原因遺伝子に基づいた治療(precision medicine)を検討
- 呼吸・栄養・発達を守る包括的ケアを行う
※「発作を完全に止める」ことは難しい場合が多いのが現実です。
① 薬物療法(第一選択だが効果は限定的)
多くの抗てんかん薬が十分な効果を示しにくいのが特徴です。
使用されることのある薬剤(例)
- バルプロ酸
- レベチラセタム
- フェニトイン
- ベンゾジアゼピン系薬剤
- トピラマート
👉 単剤での有効例は少なく、併用療法が一般的です。
② 原因遺伝子に基づく治療(重要)
◆ KCNT1変異例:キニジン
- KCNT1関連EIMFSでは、
**キニジン(抗不整脈薬)**が試みられることがあります - 一部症例で発作頻度の有意な減少が報告
- ただし
- 効果には個人差
- 不整脈リスクがあるため専門施設で厳重管理が必須
👉 遺伝子診断が治療選択に直結する代表例です。
③ ケトン食療法
- 薬剤抵抗性てんかんとして試みられることが多い
- 一部で
発作減少や全身状態の改善がみられる例あり - 乳児では
専門施設での栄養・代謝管理が必須
④ 外科治療について
- EIMFSでは
**発作焦点が固定されない(遊走性)**ため
👉 てんかん外科の適応は原則ありません - 迷走神経刺激療法(VNS)も
乳児期では適応が限られ、効果は限定的
⑤ 支持療法・包括的ケア(極めて重要)
発作治療と同じ、あるいはそれ以上に重要です。
生活・医療管理
- 呼吸管理(無呼吸・誤嚥対策)
- 栄養管理(経管栄養・胃ろうなど)
- 感染症予防
- 睡眠・体位管理
- 発作時対応の共有(家庭・保育・医療)
発達・福祉
- リハビリ(拘縮予防・姿勢保持)
- 在宅医療・訪問看護
- レスパイトケア
- 家族への心理的支援
治療の現実的な位置づけ
- 発作完全抑制は困難なことが多い
- しかし
- 発作頻度の軽減
- 呼吸・栄養状態の安定
- 合併症予防
により、生活の質と生命予後は大きく変わります
まとめ(重要ポイント)
- EIMFSは最重症クラスの難治性てんかん
- 薬物療法は基本だが効果は限定的
- KCNT1変異例ではキニジンが重要な選択肢
- 外科治療は原則適応外
- 支持療法と家族ケアが治療の中心
<遊走性焦点発作を伴う乳児てんかん>の日常生活の注意点
日常生活の基本方針
- 発作は予測不能・頻回で起こり得る前提で環境を整える
- 「発作を完全に止める」よりも、事故・誤嚥・低酸素などの二次被害を防ぐことを最優先
- 医療(小児神経)・看護・福祉を早期からチームで活用する
① 発作への備えと安全管理
発作時の基本対応
- 無理に体を押さえつけない
- **横向き(回復体位)**にして気道を確保
- 口の中に物を入れない
- 発作の開始時刻・持続時間・様子を記録(治療調整に重要)
生活環境の工夫
- ベッド周囲は柔らかい素材、転落防止柵を使用
- 家具の角はクッションで保護
- 入浴・移動・高所では必ず見守り
- 発作が多い時間帯は一人にしない配置を意識
② 呼吸・嚥下・栄養管理(最重要)
- 無呼吸、チアノーゼ、誤嚥のリスクが高い
- 食事形態は嚥下評価(ST)に基づき調整
- 経管栄養・胃ろうは安全と成長を守る医療手段
- 痰・唾液が多い場合は吸引方法の指導を受ける
▶ 誤嚥性肺炎の予防が生命予後に直結します。
③ 感染症予防
- 発熱や感染で発作が増悪しやすい
- 手洗い・換気・人混み回避など基本対策
- 発熱時は早めに医療機関へ連絡(発作増加・脱水に注意)
④ 睡眠・生活リズム
- 睡眠不足は発作誘発要因
- 昼夜逆転があっても、眠れる時間の確保を優先
- 無理な生活リズム矯正は不要なことも多い
⑤ 薬・治療の管理
- 自己判断で中止・増減しない
- 眠気、呼吸抑制、肝機能など副作用の観察
- 遺伝子型に基づく治療(例:KCNT1変異での特別な薬剤)は
専門施設の指示を厳守
⑥ リハビリ・姿勢ケア
- 目的は「発達促進」より
拘縮予防・姿勢保持・快適さの維持 - 体位変換・ポジショニングを定期的に
- 理学療法・作業療法を無理のない頻度で継続
⑦ ご家族への重要な配慮
- ご家族のせいではありません
- 24時間の緊張が続きやすいため
- 訪問看護
- レスパイト(短期入院・一時預かり)
- 福祉サービス
を早めに導入することが重要
- 介護者の休息は、ご本人の安全にも直結します
⑧ 将来を見据えた準備
- 病状は長期に及ぶことが多い
- 医療費助成・障害福祉サービスの早期申請・更新
- 在宅医療・緩和的ケアの導入時期を主治医と相談
まとめ(重要ポイント)
- 発作は完全に防げなくても、事故・誤嚥・感染は防げる
- 呼吸・栄養・感染管理が日常生活の最優先
- 医療・看護・福祉をチームで活用
- ご家族のケアも治療の一部
